― プラスワン(株式会社日本オートプラザ) 鴨川マネージャー ―
今回は、リペア業で20店舗展開されていますプラスワン(株式会社日本オートプラザ)の鴨川マネージャーにお話を伺います。
(細川)お忙しいところ、お時間いただきましてありがとうございます。よろしくお願いいたします。
(鴨川)よろしくお願いいたします。何なりと聞いてください。(笑)
(細川)マネージャーはプラスワンに入られて何年になられますか?
(鴨川)今で13~14年目になります。
(細川)へぇ~、ベテランでいらっしゃいますね。
(細川)プラスワンさんの事業内容って、お直しや修理が専門のリペア業のチェーン店とお伺いしてますが、元々そういった業界に入ろうと思っていらっしゃったということですか?
(鴨川)普通にサラリーマンをやって、文房具屋さんで3年働いて、ウエスタンショップで10年働いたのですが、そのウエスタンショップで働いていた時に、革のブーツなんかを直しに行く先が、今のリペア、修理の業界と関りがあったということなんです。
(細川)なるほど!!
(鴨川)関わっていくうちに、「もうこれで稼げる!」と思って、これは天職だと思って、転職をしました。
(細川)そうなんですか!?転職で天職に!!
(細川)元々はウエスタンが好きで、革を扱ったりとか、シルバーを扱ったりとかいう感じですか?
(鴨川)もうお店は数年前に無くなってしまったんですが、「神戸で唯一のウエスタンショップ」っていうのでやってたんです!
(細川)へぇ~!!因みに何というお店だったんですか?
(鴨川)GOLD RUSH(ゴールドラッシュ)!
(細川)あ、聞いたことあります!今は無くなっちゃったんですか?
(鴨川)全店舗無くなったんじゃ無いかな。結構多店舗あったんですけどね。
(細川)そうですか!そのウエスタンショップをやる、もしくは経営するのではなくって、お直しの方に行かれた理由っていうのはあるんですか!?
(鴨川)ウエスタンショップ、アメリカン雑貨で独立しようと思っていたんですが、インターネットで個人輸入とか、今は手軽に個人が買えるようになったでしょ。それで、ウエスタンショップのお店の売上がどんどん厳しくなっていったんですよ。
(細川)はぁぁ、そうか!そういうことですか!!
(鴨川)その業態もダメになってきて、物販はダメかなぁと思うようになって、何かいいものはないかなぁと。手に職をつけるような…。
(細川)ええ、ええ。
(鴨川)本当に偶々、ウエスタンブーツを修理に出しているところの人と知り合いになって、そこで、こういう仕事があるんだと初めて認識しました。
(細川)そのウエスタンブーツを扱う会社がプラスワンさんのようなリペア会社に仕事を依頼している、いわゆる企業同士の案件として出されていたということですか?
(鴨川)いえいえ、もう本当、簡単な修理です。靴底が減ってきたから直してほしいという依頼とかです。最初は紹介をしていたんですけど、僕が預かって、それを持って行って。時間にして1時間かからないくらいです。それで代金を頂戴してみたいな感じですね。
(細川)なるほど、そういうことですか!いわゆるブティックさんが丈直しでお直し屋さんに持っていくという感じですね。
(鴨川)そうそう、そんな感じです。
(細川)そこで、見ているうちに、これは楽しそうだなと思われたわけですね。
(鴨川)そうです。ウエスタンは普通の革靴だと言っても、だいたい何万円もするじゃないですか!だから、履きつぶしじゃなくて、きれいに履いて、手入れさえすればずっと履けるというのを知ったんですよ。
(細川)なるほど~!!(感心)それが2007年くらいですか!
(鴨川)2009年くらいじゃないかな!?
(細川)マネージャーに当時、先見の明があったわけですね!インターネットの普及でアメリカン雑貨も難しくなるだろうと…。その販売よりも、技術の方にシフトしていこうと。
(鴨川)そうですね!
(細川)ということは、革がきっかけとなっているということですか?
(鴨川)今もお店なんかでも、革の財布の修理も自分で出来る範囲はしていますね!元々そういうのに興味はあったんですよ。手作業とか、クラフトとか。
(細川)へぇ。なるほど。
因みに、今、プラスワンさんでは革修理以外に、どういったものを扱われているのでしょうか?
(鴨川)メインが靴修理、そして鞄の修理、合鍵、時計の電池交換とかですね。あと細かく言うと、ジュエリーの修理とか、表札だとか、印鑑だとかですね。いわゆる町の修理屋さんです。僕たちはフランチャイズでやらせていただいています。
(細川)そのプラスワンさんというのは全国的に展開されているのでしょうか?
(鴨川)はい。本部は全国でフランチャイズを250店舗以上展開されています。
(細川)その中で御社はフランチャイズの中で多店舗展開されていると思いますが、関西、千葉、九州と展開されているですよね…。
(鴨川)元々僕が入社した当初は、関西で4店舗だったんです。で、千葉に2店舗、九州に2店舗だったかな?その展開している中で、まず関西の4店舗の売上を立て直すというミッションがありまして。(汗)当時は1店舗当たり60万くらいしか売上も立っていなかったので。
(鴨川)で、話は戻るのですが、今のプラスワンに入る前に、どうしても靴修理がやりたくて、修行じゃないんですけど、大阪の別の靴修理屋さんで働きたくて、すぐに働きだしました。
(細川)えっっっ!!!それも同じようなリペア業界ですか?
(鴨川)そうです、そうです!大阪で数店舗展開している会社です。そこで修行だと思って、給料もホント15万くらいでしたね…。交通費は2万円以上は自腹とか、ポスティングとかの経費も出ないところだったんですけど、これも修行と思って1年間頑張って働きました。
(細川)なるほど!!すごいですね!!
(鴨川)でも、このままいたら、一生給料も上がらないだろうなと思って、そこで働きながらこっそり職探しをしていました。実は今のプラスワンで働きたくて、一度面接を受けに行ったんですけど、落とされたんですよ!!
(細川)えーーー!!!マネージャーが!!??
(鴨川)それで仕方なく、当時の大阪の靴修理屋さんで継続して働いて。そして1年ぐらいしたらまた同じプラスワンで募集をしていて、で、そこにリベンジじゃないんだけど、もう一度挑戦しようと思って受けました。
(細川)そうだったんですか!!それだけ、プラスワンさんに行きたかった理由は何だったんですか?
(鴨川)単純に場所ですね。
(細川)神戸で働きたいと。
(鴨川)そうですね。
(細川)でもすごいですね。一度縁がなかったところにもう一度リベンジで実力をつけて戻ってくるってなかなか無いことだと思います。
(鴨川)そこで雇う側も、あまりよろしくないですよね!?(笑)
(細川)いやいや、そんなことも無いと思いますが。(汗)
(鴨川)経験者ということで雇ってもらったんですけどね。
(細川)そこが大きいですよね!言えば、入った段階で即戦力になるわけですものね!
(細川)やっぱり、会社が違っても使う機械であったりとか、同じような感じなんですか?
(鴨川)だいたい同じですね。特にフランチャイズでやっているお店はだいたい同じです。
(鴨川)お店は同じなんですが、お店の中で個人差が出てきますね。個々人で勉強をする人は更に技術を身に着けて、違う機械を使えるようになったり、それで会社が機械を購入したり…。
(細川)会社はそういう個人勉強はどんどんやっていこう!という雰囲気なんですか?
(鴨川)それは、店店で違いますけどね。元々自分がいた店には、ミシンもなかったですし、ディンプルキーを切るマシーンも無いし、無いものだらけだったんですよ。だから、売上を作って、機械を購入してっていう流れでしたね。
(細川)なるほど。ということは、御社は売上が上がるのであれば、どんどん先を見据えた機械の導入をしていっていいよと。勉強になるならどんどんやりなさい、という環境だったということですか。
(鴨川)はい。そうですね。
(細川)すごい会社ですね!!素晴らしい社長ですね!!
(鴨川)元々社長は車業界の方なので、リペアに関しては御存知では無かったというのが、僕にとってはすごく良かったんですけどね。
(細川)そうなんですね。だから、私もちょっと思っていたんです。会社名が「株式会社日本オートプラザ」っていうのが。なぜ、オートってつくのかなぁ?って思っていたんですよ。キー関係から車が関係するのかなぁと勝手に想像したりして…。
(鴨川)オートプラザは車のオークションを手掛けているのが本業だと思います。僕もそんなに詳しくは分かりませんが。…。
(細川)では、本社とは全く別業態ということですね。
(鴨川)そうです。靴修理の方は任されていたので、これはチャンスと思って、勉強しました。
(細川)お直しの主力はやはり、靴の修理なんですか?
(鴨川)当初7割が靴修理だったんですけど、今は半分ですね。あとは、時計だとか、カギだとか、その他諸々で半分を補っていますね。
(細川)なるほどですね!
(鴨川)元々はジュエリー修理もなかったですし、クリーニングなんかも無かったんです。勝手に現場で、営業の方たちとお話をして、決めていった感じです。
(細川)こういうことができるか、ああいうことができるか?といったことで、試行錯誤されたわけですね。
(細川)確かにそうですよね!?一回お世話になったら、あれも出来る、これも出来るってお客様が思えば、また戻ってきてくれますよね!
(鴨川)はい、リピーターが大事になりますので。
(細川)入社された時というのは、マネージャーにとって、師匠的な方はいらっしゃったんですか?
(鴨川)それが、僕の場合はほとんど独学みたいな感じで…。
(細川)独学!!??では、大阪の修行先での最低限の技術でスタートしたって感じなんですか?
(鴨川)その大阪でも、研修期間で2週間くらいしかなかったので、横で見とけみたいな感じだったんです。その後は、お店の従業員の空きがあったりすると、いきなりそこに配置となるわけです。何しろ、自分でやっていくしかなかったんです。
(細川)(驚!)(驚!)(驚!)
(鴨川)今みたいにインターネットも、YouTubeもない時代ですから、簡単に学べる環境ではなかったので。学ぶ方法が無くて。
(細川)じゃぁ、自分がお店の機械を使って、やるしかないと。
(鴨川)失敗もしながら、練習、練習の日々でした。
(細川)へぇーーーーーー!(感心)
(鴨川)だから、自分の靴を靴屋さんに持って行って、どんな風に直していくのかなぁって、実際に見に行って研究をしてましたね。
(細川)はぁぁ、実際にご自身がお客さんになって。
(鴨川)それを経験していくうちに、リペアって何でこんなにダサいのかなって思うようになって。
(細川)もっとスマートにできるんじゃないかと。
(鴨川)当時私も若かったので、自分の方がよりかっこよくスマートにリペアできると思っていました。だから、今まで見てきたお直し屋の逆をやっていけば、絶対に勝てると思ったんです。同じことをやっても、また同じような店が出来るだけですので…。
(細川)そういうことですか!
(鴨川)「イケてないリペアから、イケてるリペア」を目指したんです。
(細川)そのやり方で、どんどん店舗も増えていってという感じですか。
(鴨川)一気にって言っても、もう本当やり方もわからないですし、出店のノウハウも、人に教えるノウハウも。元々ちょっと教えてもらって、雇われていた人間が、いきなり雇う側になるわけですよ!
(細川)なるほどですね。マネージャー職という、人に教えたり出店したりするようになったのはいつからですか?
(鴨川)入って、1年したくらいからですね。
(細川)へええええーーー。(汗)すごいですね!!!
(鴨川)もう店舗は複数ありましたので、もったいないと。私が入った店舗はポンと売上が上がったりしたので、こういう私のいる店のような店舗を量産していけば全店もっと潤うんじゃないの?と思ってました。
(細川)そのマネージャーが入られた店舗の売上がポンと上がった理由というのは何かあったのでしょうか?
(鴨川)それは、接客です。
(細川)接客ですか!?接客というと?
(鴨川)詳しい内容は企業秘密です!(笑)(笑)(笑)
(細川)ですよね!?(汗)リピーターさんが増えたということですか?
(鴨川)リピーターというか、もともと地域密着で、例えば尼崎なり明石なり姫路なり、モールに出店していますので、お客様は必ずいるんですよ。そのお客様がいる中で、来てくれるか、来てくれないかの違い、ですね。
(細川)お金をいただくお客様になるかどうかということですか。
(鴨川)ちゃんとお預かりしたモノを感謝をもってお戻しできているか、来ていただいたお客様に、この店舗ではお客様の困りごとにどんなサービスで応えることができるか、こんなこと出来ます、あんなこと出来ますとお伝えすることができるか、また来ていただけるようにしていくかで、客数が増えていきますので。それができていない店舗がすごく多いんです。
(鴨川)くつのかかと修理のお客様に、店番としてお直しするだけで、¥800頂いて終わるのか、そうでないかとの違いですね。
(細川)まだ見ぬ、そのお客様のニーズを引き出すということですね!へぇー。
(細川)マネージャーの企業秘密だとはおもいますが、これをしていけばお客様が付くという方程式がご自身の中で出来上がったということですか…。
(鴨川)そうですね。だから、他業種、ファミレスにしても、カフェにしても、物販にしても、そういう目線でお店を見てしまいますね。業界は違えど、やっていることは皆さん同じなので。
(細川)なるほど!!
(鴨川)お客様に次来ていただこうとしているスタッフのいるお店か、そうではなくて、ただただいるだけのスタッフなのかで来店数も売り上げも大分変わってくると思うんですよ。
(細川)そうですね!では、今はリペアの会社ですけど、この業界じゃなくても、マネージャーの理論というのは…。
(鴨川)通用すると思っています!
(細川)すごいですね!是非その理論を他店舗、他業種にも発展させて、成功してほしいですね!
(鴨川)元々職人で入って、普通だったら靴修理で独立してやる、っていうイメージで入られる方が多いと思うのですが、僕の場合は初めから勘違いだったので。その勘違いがどんどんと増幅して、元々あった独立心なんて一気に飛んで行ってしまいました。どれだけ、今のグループの中でお店を増やせるか、そこだけですね。
(細川)そうですか、もう、経営者目線ということですね!今いる人材や経営資源をどう活かすかを実際に動かされているので。
(鴨川)そういうと、かっこいいですが、僕からすると、自分もほぼ素人同然で、誰にも教えてもらうことなく、独立独歩でやってきたわけです。それを入ってきた若い子たち、年齢は若くなくてもいいのですが、僕ができたことだから、誰でも出来るんじゃないのって感覚で、スタッフを増やしていってはいます。今は増えすぎて大変なんですけどね!!(笑)
(細川)へぇ!!今、スタッフさんは何人くらいいらっしゃいますか?
(鴨川)30人くらいですね。20店舗で30人ですね。1店舗当たり1.5人で回しています。
(細川)ということは、近くの店舗で人員を回したりということですか。
(鴨川)そうですね。1店舗2人体制のところもあるのですが、それじゃぁ利益が出ないです。
(細川)なるほど。それも鴨川マネージャーの方程式の中のひとつなわけですね。
(鴨川)1店舗の収支というよりも、グループ店舗であるが故のスケールメリットもあります。これは、職人さんが独立して成功するやり方とはまた違う方法ですね。
(細川)チェーン店ならではのメリットが活かされていますね。
(鴨川)もし僕が独立していたら出来ないこともいっぱいありますので。株式会社なのである程度見込める部分もありますしね。
(細川)30人を束ねようとすると、大変じゃないですか?
(鴨川)そうなんですが…。元々束ねる気がないんです。僕はそんなタイプではありませんから。(笑)
(細川)いやいや、そんなことはないと思いますが。(汗)
(鴨川)努力はしますけどね。でも、初めから束ねる気は無いんです。それよりも、個々の従業員の「やる気」、個々の力をどうつけるか、どう使うかですね。
(細川)従業員さんの「やる気」というのは、出来ることが増えて、売上が上がることなんでしょうか?
(鴨川)それは、人それぞれなんですよ。お金で反応を示す人もいれば、従業員同士のコミュニケーションを楽しむ人もいますし、月1回のミーティングを楽しみにしている人もいます。もちろん靴が好きで来る人もいます。それをピンポイントでどう会話を重ねるかで、その人のモチベーションが変わってくるんです。
(細川)なるほど~~!
(鴨川)よく従業員にも言われるんですけど、モチベーションが下がって…って。でも、僕は基本的にモチベーションは自分で上げるものだと思っていますので、どこのポイントをついてやるかです。いわゆる「やる気スイッチ」ってやつですね。
(細川)はい、はい、はい。(同意)きっかけですよね。あるきっかけで急に変わった、とか聞きますものね!
(鴨川)それを見抜くのが難しかったり、そこの苦労はありますよね。
(細川)だいたいおいくつくらいの従業員さんたちなんですか?
(鴨川)下は20歳から、上は私の少し下、40代後半くらいですね。年齢の幅は広いです。
(鴨川)うちは実力さえあれば、年齢も性別も関係なく活躍できます。
(細川)女性従業員さんもいらっしゃるんですね。
(鴨川)男性よりも女性の方が収入が多かったりというのは、普通にあります。
(細川)すごくいい会社ですね。お店と人をすごく良く見ていらっしゃる。
(鴨川)見れているかどうかは、分かりませんけどね(笑)
(細川)マネージャーは人を使うだけではなくて、いわゆるネットやITを使って積極的に発信などされていると思います。ホームページはもちろん、ブログ、LINE公式アカウント、Instagramも。それらも全部独学で?
(鴨川)教えてくれる人が誰もいないんですよ!
(細川)(笑)(笑)(笑)
(鴨川)何せ、他のリペアがやっていないことを探していたら、どんどんどんどん勝手に勉強して、調べて、やっていかないと仕方のない状態に自分を追い込むんですよ。
(細川)なるほどですね(笑)
(鴨川)それが、自分の仕事だと思って。他のリペアショップがやらないことをやってるだけなんです。そこにも仕組みの原理があって、どこかの真似をするじゃないですか。だから、伸びないのかなぁと思ったりしています。あえて、そこを無視して独自のやり方で進めています。
(細川)それはすごく数字にも表れていると思います。
(鴨川)だから、リペア経験者の従業員の方がうちの会社で続かないことが多いんですよ。
(細川)はぁ~。
(鴨川)以前いたお店と比べたら、やっていることが全く違う。ギャップが大きいんだと思います。こんなことまでやるの?って思うかもしれませんね。でも、それを真剣にやるか、適当にやるか、やらないかでうちの会社の中でも大分と差が出てくるものです。
(細川)なるほどですね。マネージャーの右腕になるような次の世代の方は出てきていらっしゃいますか?
(鴨川)出てきてもらわないと困るんですけどね~(笑)(笑)
(細川)(笑)(笑)
(鴨川)なかなか難しいところなんですけどね。(笑)
(細川)人材の育成が本当に一番難しいですよね!?
(鴨川)そこも考えようで、難しいと思うか、簡単とは思ったことはないですけど、楽しめるかですよね!?
(細川)なるほどですね?将来が楽しみですよね?
(鴨川)仕事を楽しんでいる従業員のいる店というのは、どの業態でも売上は上がると思うんですよ。ただただ仕事を仕事としてやっているように見えるお店はなかなか売上にはつながっていかないと思いますね。
(細川)ひょっとすると、他の企業はどの業態でもですけど、直接本業につながらないことはやるな、みたいな風潮があるじゃないですか!?
(鴨川)その直接本業につながらない何か、まさにそれがキモなんですけどね!
(細川)私もそういうつもりで、本業とは全く関係のないこのインタビューをさせていただいているんですよ…。(笑)よく、何のためにインタビューしてるのって。でも直接関係がないところで、話を聞くことによって、お客様の気持ちがわかったり、ニーズが発見できたり、そういうことがありますね。インタビューしていても、よく言われます。自分の話で拾うところある??って。でも、ほとんどの方がビジネスライフに山あり谷あり。個人の考え方や、業界の知らない世界を教えていただいて。そこがこのインタビューの醍醐味なんですよ。
(鴨川)楽しめているんでしょうね!?そういう方たちって。
(細川)そうですね!皆さん一生懸命ですけどね。
(細川)今日もマネージャーからそういういきさつがあってというお話をお伺いしましたが、知らない事ばかりだったので、本当に勉強になります。
(鴨川)今も新しい従業員と話をするのですが、技術の話はほとんどしないんですよ。気持ちや気構え、そういったことばかりです。何せ、その人のやる気スイッチを探す、それが僕の仕事なんじゃないですかね。
(細川)なるほど。(感心)
(鴨川)僕がそうであったように、技術を教えなくても、お店にいたらやらざるを得ませんから。ただ、仕事に向き合う姿勢というのは、教えてもらわないとわからないことですから。特に若い子たちはね。
(細川)そうですよね。自分で発見できる人は少ないですよね。
(鴨川)そうですね。だから、そこでちゃんとしたメリットを与えるのが会社だと思っているんですよ。
(細川)なるほど。まさに、理想の上司です!!!
(鴨川)いえいえ。
(鴨川)ただ、この2年、そのエサがないんですよ!コロナでね。基本的にはやりたいことをやって、結果が出れば会社がお金を出してサポートする。その繰り返しでやってきていたんです。そうすることによって、売上もずっと右肩上がりで来ましたので。今は新たに出店をしても、お客様が足を運べない状況。その流れが今までとベクトルが逆に働いているんですよ。これをどう立て直していくか、それを今、楽しんでいる最中なんですけどね!
(細川)マネージャーは、基本、いつも楽しんでいらっしゃいますよね!!??
(鴨川)やる以上は楽しくやらないと続かないので。みんな諦めるのは、楽しくないからだと思います。
(細川)そうですね!本当にそう思います。
(細川)全然話は変わるのですが、以前お話の中で、ウィキペディアに自分の名前を載せようと思っているというお話を聞いたことがありましたが…。
(鴨川)ネタですよ!!ネタ!!
(細川)それすごく面白いって思ったんですけど、それを考えたきっかけは何だったんですか!?
(鴨川)ミュージシャンも、俳優も、ネット検索したら名前が出てくるじゃないですか!?ただただ、自分の名前を検索して出てきたら面白いんじゃないかなというのが始まりです。
何でもそうなんです。ブログでもホームページでも。「明石 靴修理」で検索したら、1ページ目が全部うちのページで埋まっていたら面白いんじゃないかなって。ホームページをやったのも、ブログをやったのも、それがきっかけです。
(細川)へぇーーー!!おもしろ!!だからですね!いろいろやっていらっしゃるのは。
(鴨川)発想がバカなんですよ!
(細川)いいえ!!天才です!!
(鴨川)それを自分で洗脳することによって、やってしまう自分がいたり…。
(細川)それをカタチにしてしまうことが素晴らしいですね。
(鴨川)ただ、ウィキペディアは自分じゃできないんですよね!
(細川)そうか!!
(鴨川)誰かがやってくれないとダメなんです。
(細川)じゃ、このインタビュー頑張って、鴨川マネージャーを世に広めないといけないですね!!私が!!(笑)
(鴨川)リペア プラスワンで全国展開をしていても、面白いグループがあるって思われるようになりたいですね。
(細川)なるほど。それいいですね。是非有名人になっていただきたいですね。
(鴨川)これからは、もう僕じゃなくって、下の世代の人たちですよ!その面白いグループをたどっていけば、このグループを作ったのは、鴨川だったみたいなね…。
(鴨川)最前線でやるのは、もう僕ではなくて、若い力に期待しています。
(細川)そうですよね。それが楽しみでもありますよね。
(鴨川)裏方がホントは一番楽しいんですよ。
(鴨川)最前線って飽きられるんですよ。テレビでも最前線で活躍しておられる大御所って、明石家さんまさんくらいでしょ。
(細川)音楽でもプロデューサーが注目される時代ですものね。
(鴨川)やりたいことができるでしょ!自分が表に出ると、そのイメージが強くなりすぎる場合がありますので。
(細川)表に立つ人は、能力的に出来る出来ないがありますよね。ただ、支える側はそれが出来る人を見つけてくるということも出来ますよね。もちろん簡単ではないですが。
(細川)その話の流れでお伺いするのですが、言えること、言えないことあると思いますが、会社をグループをどういう方向にしていきたいとか、将来像はありますか?マネージャー自身、今後どういう活動をなさって行かれるのでしょうか?
(鴨川)店舗を増やすことは勿論なんですが、僕が一番最初から掲げている「1店舗月売100万円」というのを確実に達成できる店舗を増やしていくことが目標ですね。今も、平均にすれば出来ているのですが、すべてのお店1店舗1店舗が確実に達成してゆく。この業界の方ならわかると思いますが、すべてのお店が確実に100万というのは、すごいことなので。
(細川)なるほど!!そして、マネージャー自身は今後どういった活動を…。
(鴨川)それを達成できる人材を増やしていく。僕が売上のことに携わらなくても、自動的に人が増えて、売上が上がっていくグループを作っていくことですね。
(細川)なるほど、でも、ある意味もう出来上がっているんじゃないですか!?
(鴨川)それがまだ、未完成なので。確実に売上を作れる仕組みを完成させるということですね。
(細川)そうなってくると、働き方も大分変わってきますものね。
(鴨川)それが出来るころには、また、次のやりたいことをやろうと思っているんですけどね。(笑)
(細川)もう、それは、既にマネージャーの中にはあるんですか?
(鴨川)自社の製品を販売するとかですかね。
(細川)オリジナル商品ですね!?革関係、アクセサリー関係とか??
(鴨川)そうです。店舗数も増えれば、そういったことも出来ると思います。
(細川)店舗が増えれば、スケールメリットも活かせますよね。
(鴨川)これは野望として温めておいて、今やることを一生懸命やるってことです。
(細川)私自身すごく楽しみです!ホント期待して待っていますね!!
(鴨川)「継続は力なり」ですよ。やり続けることだと思いますので。
(細川)そうですよね!マネージャーは、ブログにしても、ホームページにしても、LINEにしても、どれも止まっていないのがすごいと思います。何もやめていないのが。
(鴨川)間が空いてもいいんですよ。やめちゃうと失敗になるので。「やめない限り失敗はない」というのが、僕の持論なんです。みんな途中でやめちゃうから、周りから失敗したと言われるので。僕の場合は「まだずっとやってるよ!」っていう繰り返しなんです。
(細川)はぁぁ、「やめない限り失敗はない」名言ですね。成功への途中ということですね。
(鴨川)ブログでもなんでも、別にやめてもいいんですよ、でも続けようと思ったら、続くじゃないですか。だから、自分がどう思っているかだけなんですよ!偶々時間がないので、間が空くことはあっても、やめない。諦めずにやり続けることが成功への道なんでしょうね。まだ成功していないんですけどね(笑)(笑)
(細川)それ、本当にすごくいい言葉ですね。日本中の疲れたサラリーマンに伝えたいです!
(細川)マネージャー、そのうち本当にウィキペディアに乗りそうですね!!今日は長時間にわたり、お時間いただきましてありがとうございました。今後もプラスワンさん、株式会社日本オートプラザさんに注目していきたいと思います。
(鴨川)ありがとうございました。
ー インタビューを終えて ー
日本オートプラザの鴨川マネージャーの私の印象はまさにハイブリッド職人。ある共通の知人を介して初めてお会いした時は、リペア職人だけあって、堅物で口数の少ない職人気質な方なのかと思っていた。しかし、話し出すと次から次へと新しいものへの興味を示され、また興味をもったものには決してあきらめることなくチャレンジされる。職人とは真反対の物腰の軽さである。しかし、行動の一つ一つ、言葉の一つ一つにはマネージャーのこだわりと理論が存在している。まさに職人そのものである。さらに、後進の指導には、見て学べということはせず、相手の一人ひとりと向きあい、会話を非常に大切になさる。職人らしからぬ指導者の姿だ。
理論に基づいて、行動を一般化し、方程式として当てはめた合理的なグループの仕組みづくりをされている姿はまさに研究者的発想である。
文系・理系、ホワイトカラー・ブルーカラー、日本人は型に当てはめて考えることで安心感を得るらしい。しかし、学校教育の中でも文系・理系の二者択一では無くなってきているように、会社や経営の仕方、リーダー像も令和的に変遷していくものなのだろう。
マネージャーがウィキペディアに載ることは、決して絵空事ではない。
株式会社日本オートプラザさんの展開するプラスワンは、靴・鞄・傘・ジュエリーの修理をはじめ、時計の電池交換、靴のクリーニング、合鍵の作成も手掛ける街の修理屋さん。
兵庫・大阪に9店舗、千葉7店舗、九州に4店舗と、グループで20店舗を手掛ける。
何か修理のお困りごとがあればいつでも相談に乗ってくれます。ホームページにはそれぞれのサービス内容や、割引クーポンも!ブログではお得な情報が随時更新中!
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