― ライフスタイルショップ Ladybugオーナー 市野 里代子さん ―


今回は、Ladybugオーナー 市野 里代子さんにお話をうかがいます。市野さんと私は、15年前からのお付き合いで、私が働いていたアパレルメーカーのお得意先様でした。今も情報交換をさせて頂いております。改めて過去を振り返るお時間をいただき、Ladybugを始めた経緯、店舗移転や取り扱い商材の変遷、そして最も大切にしていらっしゃる『つながり』について深堀をしてまいりました

(細川)お店はいつ始められたのですか?


(市野)1995年に引っ越して来まして、その年にバッグ屋をオープンしました。そのバッグ屋をやっているうちに、お洋服も取り扱ってみたいなぁと思いまして、バッグを本業としてお洋服を少しずつ取り扱いながら11年間続けました。そして、名鉄知多半田駅に隣接する「クラシティ」という複合商業施設の2006年オープンとともに移転しました。


(細川)なるほど、私は、その2006年からのお付き合いということになりますね。一緒に開店準備しましたね!


(市野)そうですね!懐かしい。


(細川)ということは、クラシティに出店する前にお店を経営していらしたということですか!?「ブティックするのは初めてなので、教えてください…」みたいな感じで初めて展示会に来られたので、てっきり、お店をするのが初めてなんだと思い込んでいました。15年越しに大変失礼いたしました。(汗)


(市野)いえいえ、このいまある場所とはまた違った場所に、バッグ屋を出店していたんです。


(細川)それは、知らなかったです。(汗)


(市野)そうですよね!言ってなかったですからね。


(細川)そのバッグ屋さんの時から、お洋服は取り扱っていたんですか?


(市野)細川さんを紹介して頂いたバッグ卸の女性の方がいらしたと思いますが、その方から、それこそ短期で、週末だけお洋服をお借りして販売していたという感じです。

それで、その時代、本当にお洋服が良く売れたので、バッグよりお洋服の方が売れるじゃない!!と思って、本格的に展開したいなぁと思いまして、クラシティに出店するタイミングでお洋服のメーカーさんを探しました。それでMAXさん(細川の以前勤めていたアパレルメーカー)も紹介して頂いたという流れです。


(細川)なるほど。


(市野)それが第一歩ですよ!


(細川)いやぁ~、当時若造なのに偉そうに言って申し訳ありませんでした。(汗)


(市野)いえいえ、いろいろ教えてくださいました!私、当時ホントにバッグの知識もないし、お洋服の知識もなく販売していたので、素人の感覚、消費者の感覚で販売していましたね。その感覚は、今もありますよ。


(細川)全然、素人とは思わないですよ。でも、消費者感覚を持つことは大切ですよね。あと、以前百貨店で勤務の経験がおありという話を伺ったことがあるのですが…。


(市野)こちらに来る前の話ですね。大学を卒業してから、池袋のとある百貨店で9年間働いていました。


(細川)そうなんですね。それは何売場だったんですか。バッグとか?


(市野)ベビー用品売場でしたね。


(細川)ベビー用品!?それは意外ですね!バッグとの出会いはそこかと思ってました。じゃぁ、販売職はずっと続けていらっしゃるということですか。


(市野)そうなんです!販売が好きで、人と会う仕事、接客する仕事が好きなんですね。モノと向き合ったり、数字とにらめっこは向いていなくて。人と会ってお話をする方が好きなんです。


(細川)なるほど!!向いてると思います!


(市野)私ね、実は、管理栄養士の資格を持っていて、大学で資格を取得して。ベビーコンサルタントっていう専門職があるんですが、その資格を活かして百貨店に入社したという経緯があります。だから、ベビーコンサルタントとして働いておりました。


(細川)へぇー。(感心)初めて知りました。


(市野)まぁ、その売場でマタニティウェアとかも売っていましたので、アパレルというとそれは接点だったかも知れませんね。


(細川)クラシティはいつまで出店なさっていたんでしたっけ?


(市野)たしか、2014年です。こっちに移りましたね。主人の母がこの場所でバッグ屋を経営していたんですが、高齢になったので、じゃぁもどりましょうか!?ということで。

義母と一緒に売場を分けてやっていましたが、その時代がちょっとしんどかった時期ですね。その時期にお客様が大分入れ替わったかもしれないですね。


(細川)一緒に売るとなると、難しいところありますものね。


(市野)そうですね、お店の役割分担の仕方がわからなかったですね。ほんと、誰が店主かわからないようなお店だったので、お客様にも伝わりにくいお店だったかもしれないですね。


(細川)そうですか。


(市野)でも、義母が引退して、お店を完全に任せてくれたのでね。そこからですね!4、5年経ちますが、好きにやらせていただいております。


(細川)その後、結構な店舗改装や、配置換え、商材の入れ替えなど積極的になさっていますよね?


(市野)そうですね!以前はバッグを壁面にドンと展示して、お洋服もぎっしり置いていましたね。商品だらけ!!みたいな感じの。(笑)

元々、うちのお店は商品量が売りだったので、たくさん置かなきゃ!!みたいな意識があって!(笑)


(細川)あー、そうでしたね。たくさんの商品の中から、お客様に探し出してあげるという感じでしたよね!?(笑)


(市野)でも、だんだんバッグを減らし、それでもお洋服は結構たくさん置いていたんだけど、お洋服もちょっとロスが目立つようになってきてね…。


やっぱり、転機はコロナですね!!コロナ!!この状況下で、このままの在庫量を抱えるのはしんどいなと。

そこで、2020年8月にちょっとスタイルを変えて、「サロン化計画」と銘打って、ここでお客様がゆっくりできるようなスペースをとって、お茶を出して、ソーシャルディスタンスを保ちながら、ゆったりお話の出来るお店に変えていきました。

だから、お店の半分をテーブルやいすを置いたサロンにして、お洋服も縮小して、バッグは完全になくしたという感じです。


(細川)僕は前から、週末のイベントを積極的にやっていらっしゃる印象があります。まだ世間がコラボレーションとか、そういった企画が少なかった時期に、他業種の方を招いてイベントをやっていらっしゃるのを見て、すごく先を見据えた活動をなされているなぁと思っていたのですが。


(市野)クラシティ時代から、施術をする人、マッサージなんかはずっとやっていただいていています。当時マッサージやエステは、今ほどそこかしこに無かったので、ここで癒されて行ってねという意味を込めてやっていました。もう15年ぐらいは続いていますね。


(細川)すごいですねぇ。(感心)今は、場所が余っているから、空いたスペースで場所を貸すという不動産的な発想はあると思いますが、楽しみを増やすためのコラボイベントをやっていらっしゃるのがすごく伝わります。イベントに限らず、売るためというよりは、地域との交流の場を提供していらっしゃるイメージがすごくありますね。どこのスイーツをまとめて買ってきましたとか、お祭りの情報であったりとか。何か個人的に地域のコミュニティを作っていらっしゃるのですか?


(市野)いえ、特にコミュニティは作ってはいません。顧客さんは顧客さんで集まったりとか、ゆの里(和歌山県の天然温泉)の好きな方が集まってゆの里に旅行に行ったりとか、そういう意味ではそれぞれのコミュニティ(集まり)になっているとも言えますね。


(細川)ゆの里が好きとは、旅行仲間ということですか?


(市野)ゆの里でとれるお水をお店で販売しているので、旅行がメインというよりは、そのお水を飲んでいる仲間同士の集まりのようになっていますね。

何かひとつのモノや価値観を共有することで、つながりを持っている、コミュニティになっているのかも知れません。


元々バッグを買っていたお客様が、あらお洋服もあるの?ってお洋服を買い始めて、お洋服の着こなしをみんなで勉強しましょ!カラーを学びましょ!っていうことを提案していました。それこそ、土居コウタロウ先生のコーディネイト講座にも参加しておりましたが。着こなし方やスタイリングでつながりましょうということをしていた時代もあります。


今は、お水でつながりましょう!だとか、下着や美容に関してつながりましょう!とか、同じものを使いましょうという価値観。


何か共有する軸があると、お店もお客様とつながりやすいのかなぁと思いますね。


(細川)なるほど~。


(市野)初めからお洋服の勉強をしてきたわけでもなかったので、人と人とのつながりの方が大事で、共有する軸となるアイテムは何でもよかったという気がします。


(細川)だから長く続けられるんでしょうね。


(市野)そうね!バッグだけだったら、完全につぶれていたでしょうね!お洋服だけだったとしても、細々とどうなっていたかはわかりませんよね。


今は化粧品もありますし、お水もありますし、健康食品、調味料も販売しています。いろいろなところで、Ladybugは女性の美と健康を支えるお店であると伝え続けていきたいと思います。

(細川)今年の御社のテーマが『つながる』ということですが。


(市野)コロナ禍のこんな時代だからこそ、必要だなと思っています。昨今『個』になりすぎじゃありませんか!?お洋服も、おうちでポチポチ、ネット消費もいいんだけど、モノや価値観で共有できる人たちとつながった方が楽しいと思うんですよ!(笑)(笑)


(細川)その『つながる』手段は、店舗情報誌の『レディの玉手箱』がありますよね!?

これは月刊ですか?


(市野)以前は毎月発行していましたが、ちょっと前は2か月に1回の発行でしたね。でもまた、最近は毎月に戻しました。


(細川)それ以外の手段は?


(市野)LINEですね。LINE公式アカウントです。以前はメッセージだけ送っていました。そのうち商品画像を送るようになりまして、今では専ら動画で情報発信しています。


(細川)私もお友だちになっているのですが、これがすごく分かりやすくて。


(市野)ありがとうございます。動画の配信は昨年の年初から始めました。文字での情報発信が必ずしもお客様に届いていないかもしれないというのと、文字にするより喋った方が早いということ、服を見せるのは画像が良いということ、静止画よりも動画の方が分かりやすいということで、動画の方が効果的だと思っています。


ただ、やろうと思ったときは本当に、ドキドキして、緊張して。(笑)

こんなのできるかなぁ、と思っていたんだけど、これが続けていくと意外と出来るようになるもので。(照)


(細川)頻度はどのくらいで撮っていらっしゃるんですか?


(市野)週に3回から4回ほどです。朝、これを話そうと思ったことを話すのですが、以前は10回くらい撮り直しをしていました。今はテイク1かテイク2くらいで撮っちゃいます!!


(細川)それが一番いいのでしょうね!?リハーサルを重ねるよりも、自分の言葉がでてくるというか。


(市野)そうでしょうね。生ものなのでね。

このインタビューもこのまま音声で流さないでしょ!!??だから安心して話せてるって感じ。


(市野)(細川)(笑)(笑)


(細川)一応、編集の上、店長の了解を得た上で、文字に起こしますので。

(細川)ところで最近、下着や美容関係の取り扱いを始められましたよね!?


(市野)コロナで先が見えなくなって、どうしよう!?と思ったときにこの商材に出会ったんです。決めた時は120万の契約を一気に進めちゃったんですよ。

(細川)えーーーーーっ!!!!(腰が抜けそう…)


(市野)実は知り合いのお店からこれがいいからって、声がかかって。5か月間、ずっといらないい、いらないって言ってたんです。下着を取り扱うなんていやだ、いやだと思って。いくら窮地に陥ってもそれはやらないって、考えだったんですが。経営状態がもうどうにも、にっちもさっちも行かないかなぁと思ったときに、店内リニューアルするにあたって商材を総ざらえしたんです。そうしたら、あれっ、リニューアル後何売ろうかな?とじっくり考える機会が訪れまして。やっぱり、これなのかな!?と思い返す瞬間があって、じゃぁ、試着に行きます、と言って展示場に行きました。そして着てみたら、何これ!?こんなものがこの世の中にあるの??ってくらい気持ちよっかったんですよ。

で、これを着たら私は健康になる!という発想になるとおもうでしょ!?でも、そうは思わなかったんです。

『売れる!』って思ったんですよ。(笑)(笑)

『これを待ってる人がいる!』『私と同じように感動する人がいる!』と思ったんです。

だから、次に売るのはこれだと思って、すぐに店舗契約したんですよ!そしたら、120万だというので…。


(細川)お客様の為になると思われたわけですね。


(市野)これを外したら「アウト」だったんだけど。


(細川)そうですよね!?世間では、お店をやめようかどうしようかと言っていた時期ですからね。


(市野)でもね、その時コロナが流行っていたので、外側のお洋服は売れなかったんだけど、中のインナーウェアはみんな買ったの。というか、お洋服を買わなかったから、下着を買えたの。久しぶりの買い物みたいな感じで。タイミングも良かったのかもしれないと思うんですけど。

みんな買ってくれて、「あぁ、やっぱり、みんな待ってたんだなぁ。」と実感しましたね。

こんなに売れない時代に、こんなに売れるんだということを目の当たりにしました。


(細川)それは、店長の長年の信用度の上に成り立っていますよね。


(市野)それは、ありがたいですね。お客様にも感謝、メーカーさんにも感謝です。

でも、とにかくそれで救われました。やっぱり、私と同じように困っている人がいるとしたら、伝えてあげたいなと思います。


(細川)なるほど。ありがとうございます。最後に近い将来何がしたいですか?


(市野)店を拡げたいだとか、店を増やしたいとはまったく思わないんですよ。こじんまりとやりながら、カラダ全体を整える、エステやったりだとか、ボディケアをやったりだとか、下着や洋服で着る喜びを感じてもらいたいですね。そして、そういったことを日本全国の女性と『つながる』手段を細川さんの力を借りながらやっていきたいなと思います。


(細川)いやいや、私にそんな大きなことはできませんが(汗)(汗)


(市野)来店しないお客様ともつながっていくということがしたいですね!日本中の60代を救いたいです。そして100歳現役を目指す!100歳で元気で、活きる喜びを最後まで感じる!!これをみんなが感じられる社会になればいいと思います。


(細川)店長のその目標の一役を担えたら幸せです。今日は、わざわざお時間を作っていただいてありがとうございました。


(市野)ありがとうございました。




― インタビューを終えて ー


お話をしていて、15年ものお付き合いがあるにも関わらず、知らないビジネスライフばかりだと思いました。その中で、やはり、「人が好き」なんだなぁとつくづく感じました。お客様はもちろんのこと、私のようなメーカーや仕入先の担当にも丁寧にお付き合いをしてくださいます。接客業は『つながり』をとても大切になさる市野さんの天職だと感じました。

また、店舗移転やリニューアル、取り扱い商材の入れ替えなど、その行動力、判断力、情報収集能力、タイミングを逸しない嗅覚が経営者としてとても優れている方だと思いました。

私も、行動力、判断力、情報収集能力、タイミングを逸しない嗅覚を養わないといけないと実に感じた一日でした。


Ladybug(レディバッグ)は愛知県半田市にあるライフスタイルショップ。お洋服はもちろんのこと、下着、化粧品、お水、健康食品、調味料に至るまで女性(特にミセス)の内面から外面の全てをプロデュース。レディバッグに行けば、ファッションや美と健康のみならず、地域の情報も手に入る。毎週末(土曜日・日曜日)はイベント開催。イベント内容はHPのイベントカレンダーをチェック!(イベント内容によっては要予約)。お洋服から入るもよし、お水から入るもよし、週末イベントから覗くもよし。LINE公式アカウントの動画配信も見ものです。下着は是非一度ご試着を(試着会随時開催)。レディバッグのピンチを救った下着に興味のある同業(ブティック)の方もご連絡をお待ちしております。




Ladybug(レディバッグ)

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